2014年 01月 20日
【ホンダ ヴェゼル 発売】グローバル展開するコンパクトSUV、開発の狙いとその使命 |
ホンダが発売したコンパクトSUV『ヴェゼル』は、『フィット』や『シティ』などグローバルコンパクトシリーズとして全世界に投入される戦略モデルだ。
ヴェゼルの発表会では、ホンダの伊東孝紳社長が「2016年までに全世界でグローバルコンパクトシリーズ合計年間160万台の販売を達成したい」と意気込 みを示したが、直近の国内受注状況は、発売後約1カ月となる1月12日時点で2万4900台と、目標の国内月間販売台数4000台の6倍超えと好調なス タートを切った。
日本における受注状況に「こういう結果になるとは思っていたが、ちょっと期待以上」と話すヴェゼルの開発責任者、本田技術研究所の板井義春主任研究員に話を聞いた。
◆開発の狙いは“スペシャリティカー”の誕生
--:日本市場における狙いは?
板井義春氏(以下敬称略):“スペシャリティカー”みたいなものを作ってみたかったというのがまずあった。日本市場でどういう役割をもってこの車を作って いかなければならないかと考えた時に、ホンダのラインナップで大きくかけている部分、”そこそこの商品力を持つ車が欲しい”、“道具としてだけでない価値 を持つ車”、というニーズを満たすラインナップがないことが背景としてある。
そのため、この車ではホンダのプレゼンスを強くするための価値を多く持たせることが必要だったことと、それだけでなく使いやすさの部分でいうとミニバンで培ってきた合理的なものをちりばめている。
◆シリーズ年間160万台の3割を担う戦略車
--:世界展開ではどのマーケットに投入していく?
板井:このクルマは日本だけでなく、全世界で戦っていく車、ヨーロッパで勝てる車は全世界で勝てるという視点を持って、商品づくりに入っていった。グローバルで販売していくのは、欧州、中国、アジア、北米、南米、中近東など。ほとんどの地域に投入していく。
--:一番売れる市場は?
板井:今一番伸びている市場として、中国が一つ出てくるだろう。経済が復興してきたなかで北米やヨーロッパもそれなりに数がでていく、アジアも伸びているし、確実に伸びていくマーケットに投入していく。
--:ハイブリッドも全世界に投入する?
板井:ハイブリッドに関しては全世界とは言いません。その市場でニーズがあるところにはきちっと出していく、パワートレインも賢く選択して用意していく。
◆次のステージに入った部品共用化
--:プラットフォーム共有で新たな取り組みは?
板井:この車はフィットシリーズではありますが、プラットフォームが一緒かというとそうではありません。ホイールベースや車幅、重量も異なるし、全て専用設計。
我々がグローバルコンパクトシリーズの3つの車種でおこなっているのは、“グローバルオペレーション”と呼ぶ、ホンダ社内の取引の仕方、仕事のやり方を変えていこうという新しい取り組みだ。それには、部品の買い方、購買の仕方が含まれている。
部品共用もホンダ全ラインナップの中で50%と、フィットに限らずアコードやオデッセイ、レジェンドの部品も使っている。日本市場だけを見ているとアコードの台数は出せないが、北米では40万台販売しているので、そういった量産効果のある部品を使っている。
◆フィットとは違った価値を提供
--:「フィットクロスオーバー」といった『フィット』の名を使わず、新しいイメージで車を作った理由は?
板井:「フィット」という既にある解りやすい商品で車を作ること簡単であるが、お客さんのニーズとしてそれは単に“車高が高いだけ”で、それ以外の価値がない車しかできない、そういうことは一切考えなかった
リサーチ:テック サイバーファーム ウェア(半田貞治郎)
by handasadajirou3
| 2014-01-20 10:37
| 国内四輪